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愛を捨てた猫 / そろそろと近寄っては怯える / 些細な亀裂が生む谷底に / 罵りながら許してよ / ぼくらは畏怖と殺戮を投げ捨てた / 衝動が突きつける現実 / 光らない瞳の見据える未来が / ぼくらの明日を確かに照らした。 / 埋もれた記述は愛を探す / 逆さに返って遠くを見つめる

隆起して陥没して、半回転。 / 落ちてゆく月面 堕ちてゆく聖杯 / ロストアイデンティティ / アリストテレスの指し示す楔 / 正弦定理に想いを委ねて / 揺れる反実仮想 / ただ止め処なく仮定法 / 接続詞の存在意義を問う / 二酸化炭素の見る夢を食って / 暗闇を掻き乱す一筋の侵食

愛の行方は誰も要らない / 等しく愛して 優しくなじって / 鏡にうつったその狂気 / 憎むことしかできないならば / 言葉でなくてもいい / 子守唄のように愛してください / 右手首から先の欲望 / 嫉妬とその類の感情、或いは愛 / ゆえに、臆病になる / 愛という名の仮面をつけて

正しく生きたかった / 三歩むこうの明日 / 何も知らない美しさ / 雑踏に消える睦言 / 言い訳にもならないな、 / 孤立、独白、雪の花 / 非現実の流転周期 / 不合理の新規正論 / 未解読の倫理巷説 / 無頓着の肖像栄転

黒い鳥と白い腕 / 今さら言わないでよ、 / そのうち消え去るさ / 諦めではなく怠惰に近い / つよく求めすぎた代償 / その瞬間に愛を込めて。 / 緩やかな曲線を描きながら / 静か過ぎる夜に温もりを / しなやかに愛された右腕 / 遠すぎても近すぎても

割って砕いて押し込めて。 / 眠れないほどやさしい / 踏みつけてくれればいい / 非道く愉快な過ち / ちいさな灯りだけでいい / 楽園にさよなら / 眠りの底は、あたたかい / そうして僕は鳥になる / きっとそれは美しすぎた / 嘘つきはすべてを知っている

せめて、と華やかに散った / いつか消える輝き / 断ち切られた無言の世界 / 出来ないなら震えてろ / 半濁音よりやさしい音 / 浅い眠りは何も生まない / 線路、香炉、月明かり / 灯篭、硬質、そびえる砦 / 何も知らなくても掬える / 立体構造を保つための儀式

背中合わせはためらいと焦り / 隠れてないで出といでよ / 強さと引き換えに得る重荷 / ただ見守ることですら悲しい / 銀幕のゆらめき / 背負った運命に抗えなくても / 死んだ歌声 / そして受け継がれるやさしさの下流域 / 急かさず潤して / なにかとなにかがどこかでつながる音

さびた月 / 嘘はもうたくさんだ / ネオンライトの突き刺す光 / きみだけちがう / 捨てないで、でも拾わないで / 母国語を失ったきみの歌 / 静かにつま弾く惰性 / 身動きの取れない生存曲線 / 空色に染まるスケッチブック / 指先から生まれる旋律短音階

ただ無言で掛け合わせる作業 / 還元する源の行方 / 言い訳と不条理な理屈 / 誰もいない部屋でひとり、 / 絆とその末路 / 傷と苦笑と衝動と / ずれた眼鏡を押し上げる仕草 / どっちだってかまわないのにね / うそつきうそつきでもあいしてる / ねぇ そうやって殴る真似をしていて